スタンディングディスク 導入企業

スタンディングディスクとは

スタンディングディスクに興味を持ったので関する情報にアンテナを立てていたら、びっくりするニュースが飛び込んできました。

それは、アメリカシリコンバレーのIT企業でスタンディングディスクを導入するというというものでした。GAFA(ガーファ)といわれる巨大IT企業です。

Apple(アップル)のCEOのティム・クックは、新本社「アップル・パーク」で、全従業員のデスクを100%スタンディングディスクにしました。
以前から、
「立ったり座ったりを繰り返す、その方がライフスタイルとして、はるかに良い」
と語ったり
「座ることは新たながん」と語った医師の話を好んで話したそうです。

また、グーグルフェイスブックでも、多数の従業員がデスクを立ち机(スタンディングデスク)で仕事をする様子ニュースで紹介されていました。
実にGAFA4社のうち3社はスタンディングデスクを積極的に導入していますが、こうなると残るアマゾンも実はすでに導入済といわれても驚きませんね。
さすがはGAFA。過去の生活習慣にとらわれずより快適な職場環境を実践するのに躊躇がないなぁと思いました。

ところが、最先端のシリコンバレー企業の話だと思ったら、日本国内でもこのスタンディングデスクを会社として推奨している有名企業がありました。

カナダに本拠地を置く外資系のマニュライフ生命保険の日本法人、日本マイクロソフト、グーグル日本法人、ネット通販サイトで有名な楽天も社員の健康増進の一環としてスタンディングデスクを導入していました。

スタンディングデスクを導入しているのは外資系やIT企業だけではありません。三菱商事、三菱商事と双日(旧 日商岩井)の合弁会社の鉄鋼総合商社メタルワン、通信ケーブルメーカーのフジクラといった日本企業では昇降式のデスクが採用され、社員が立ちながら仕事ができるよう会社がサポートしていることが報じられています。
なかには、宮城県仙台市に本社を置く大手家電事業 アイリスオーヤマは、一部の拠点で、「座った姿勢でのパソコン使用を禁止する」という徹底したルールを科すほどスタンディングデスクを企業内で普及させる事例もあったりします。

意外にもスタンディングデスクの愛用者は現代企業の専売特許ではありませんでした。
近現代の事例は他にも紹介されており、18~19世紀の欧米の富裕層の間でも立ちデスクが流行っていたそうです。
「流行っていた」、つまり一部のマニアックな知識人がこっそりやっていたわけではなかったということになります。そんな時代があのモーツァルトが活躍したフランス革命以前のヨーロッパにあったというのだから驚きです。

第二次大戦で活躍したイギリスの政治家ウィンストン・チャーチル元首相、アメリカのラムズフェルド元国務長官など立ちデスクの愛好家として知られています。

富裕層や政治界だけではありません。あの文豪 ヘミングウェイも愛用者だったそうです。しかも、彼の時代にはスタンディングデスクなんてしゃれた家具はなかったんですね。
ヘミングウェイは、胸の高さまである本棚の上に木製のブックスタンドを置いて、そこにタイプライターに使う原稿用紙を乗せて鉛筆で書くのが執筆スタイルと言い伝えられています。ヘミングウェイのやり方は、スタンディングデスクがない中で、既存ものを工夫してスタンディングデスクに見立てて用意したという点で非常にユニークであり、私が立ち仕事をするうえで大変参考になりました。

身体の不調・疲れといった問題に限らず、目の前の課題を解決する場合、ロジカルシンキングで使われる手法に「ミッシー」というフレームワークがあるのを思い出します。これはマッキンゼー&カンパニーなどの大手のコンサルティング会社の基本とされ、漏れがなくダブらない前提で解決策を考えるというコンサルティング手法の基本といわれています。
仕事は座ってするものという固定概念があると、抜け漏れでスタンディングデスクを使うという発想は生まれません。

この一方で、何か問題に直面した時は、知識ではなく本能・直感に従えといった「教え」のようなものを折に触れて見聞きしますが、私も御多分に漏れず、疲れたら横になれ、睡眠をたっぷりとれ、栄養あるものを食べないとダメと考えて行動していた節があります。ところが、本能は、人間が持つ根源的な欲求ではなく過去に良しとされてきた慣習や自分の成功体験といったそれまでは効果があった、あるいはあると考えられていた手法に汚染された欲求である可能性もあるんだなぁと今では思います。
デスクワークであれば椅子から立ち上がってソファーに寝そべるか布団に入って早めに就寝するということになります。ところが、これだと立って仕事をするという視点が完全に抜けてしまう。つまりミッシーではなくなる。なぜなら、立つより座った方が楽だという思い込みが邪魔してしまうから。

スタンディングデスクのメリットを実感すると、今まで当たり前だと思ってきた自分の中の常識を疑うという新たな物差しができました。
立って仕事をするなんて変だと思っていた方で、それでもどうしてだろうと興味を持たれた方は、別の視点もあるよというのを知っていただければと思います。

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